ふくみみズム〜福耳流心と身体の向き合い方〜**ライフイズビューティフル

自分の心と身体について向き合い、日々見つめて行くことで幸せな生き方を探求するブログ

六本木クロッシング2022展:往来オーライ!@森美術館に行って来ました。

 

こんにちは、ふくみみです。

 

森美術館にて2023年3月26日まで開催中の「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」に行って来ましたので記録をしておきます。

 

今回の六本木クロッシングのテーマは3つ

展覧会入り口の企画説明によると、今回の作品は下記の3つのトピックによりキュレーターが集めたものだそうです。

 

1. 新たな視点で身近な事象や生活環境を考える
2. さまざまな隣人と共に生きる
3. 日本の中の多文化性に光をあてる

 

日本はすでに他人種国家になっている。

実は私たちは様々な価値観のもとで暮らしている。充分に多様な社会となっている。そのことを改めて(新たに?)再認識してみるということ。

 

また、コロナ禍により隣人との関係が断たれてしまった現状を見直してみようということ。

 

なるほど〜

今っぽいです!

アートを超えた展覧会

アートとは何か、と聞かれたら困りますが・・・、「六本木クロッシング」は「観た」ではなく「体験した」という印象が残ります。

作家さんが提示したものをただ受動的に見るのではない感じ。

その世界に入り込んで、体験して、自分の知覚で考えるよう促される感じがします。

 

そもそも「現代アート」とはそういうものなのでしょうかね?

詳しくはないので分かりませんが・・・

 

とにかく、「六本木クロッシング」についてはとても面白い!と感じたことは確かです。

 

全体を通してふくみみがキャッチしたキーワードは以下。

 

「コロナ」「トランスジェンダー」「食糧危機」「福島」「人」「未来」

 

トランスジェンダー」は、前日に政治家が不適切発言をして更迭されたニュースがあり、身近な問題に感じました。

 

キュンチョメ「声枯れるまで」は、自分の男性の名前(まさと)に違和感を覚え、自分で名前を変えた(ゆずま)人の物語。とても純粋で真っ直ぐな方で惹かれました。映像作品は全編見ないで出てしまう方もいますが、こちらは最後の最後の吐息まで味わって欲しいと思います。

 

また、もう一つタイムリーだったのが、市原えつこ「未来SUSHI」。

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回転寿司です。みんな「タイムリー!」と叫んでいました(笑)。

この回転寿司屋さんの店員はアンドロイド。

寿司は食糧危機を救う「培養もの」や「干し草寿司」。アンドロイド用に「半機械寿司」もあります。

カウンターに座ることが出来るので、じっくり居座って回る寿司の細かいところまで眺めると面白いです。ツッコミどころがいっぱい!

気になった作品、一挙にご紹介!

ふくみみが特に気になった作品をピックアップしてご紹介します!

■進藤冬華

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「移住の子」と大きく書かれたタペストリー。よく見ると良い感じにボロボロになっています。

民族衣装や道具が展示してありますが、実は架空の民族だそうです。

 

■呉夏枝(オ・ハヂ)

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こちらも架空の世界が描かれています。

一度ほどいた糸を染め直し、また織ったとのこと。布に絵を描いたのではなく・・・。

その果てしない時間の想像が床に映写された世界地図に合間って、すごく冒険心を煽られました。

 

■竹内公太

光跡写真↓

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「文書1 王冠と身体」↓

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拡大したもの↓

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福島の帰還困難区域で警備をしていた際に、警備員が持つあの赤く光る棒で光跡写真を撮り、その軌跡でフォントを作ったそうです。

そのフォントで「文書1 王冠と身体」は出来ています。

よく見ると絵に見えるものは確かに「文書」なのでした!

 

■やんツー

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中央に見える赤いロボットが倉庫に納められた美術品を展示場所に運んでくる。しかし、この倉庫にあるのは価値ある美術品だけではなく、ガラクタや段ボール箱まである。

ロボットには人間の決めた価値など分からないので、段ボールも関係なく展示してしまう、というある種の皮肉が込められた作品です。

また、コレクターは価値ある美術品を手に入れても面倒がって箱に入れたまま奥にしまい込んでしまう(もったいない)という現象を皮肉ってもいるらしい。

とにかく色々皮肉っている作品ですが、観に行った日はロボットが「電池切れ」で動かなくなっていた、ということが一番の皮肉(笑)。

学芸員さんに「それも作品の意図ですか?」と聞いたら「単に調整中です」とのことです。

でも、本当は何か意味があるのでは?笑

 

■AKI INOMATA

「彫刻のつくり方」

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今回、一番驚き楽しんだのはこの作品です!

これ、ビーバーが齧って作られた彫刻なのです。

ビーバーに木片を与えると、歯を研ぐためにカリカリと齧る習性があるそうです。

 

展示は同じ形が3体あり、小さいのはビーバー作のもの、そして3倍の大きさのレプリカと人間が模倣して掘ったものが並んでいます。

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人間が掘ると無意識に「意図」が出てしまい、ビーバーのような無心な掘り筋にはならないそう(笑)。

 

会場ではビーバーがカリカリする映像も見られます。

 

まとめ

六本木クロッシング2022展は3月26日まで。

森美術館で開催中です。

お隣ではヒグチユウコ展も開催中。こちらもオススメです!

六本木クロッシング2022展:往来オーライ! | 森美術館 - MORI ART MUSEUM